tomato-zooのブログ

日常的なことや、普段思っている事の他、好きなハンドメイドについて、書き留めます。

母の煮物

私は実家のある札幌に部屋を借りて,月に1週間から2週間滞在している。


部屋を借りている理由は高齢で一人暮らしをしている夫の父の様子を見に行くこと。


大病をして,この先10年は生きられないと言われている母に会いたいこと。


そして,ハンドメイドの販売で起業した私の工房として使いたいから。 


先日、母と同居する妹から連絡があった。


「お姉ちゃん、お母さんが煮物を沢山作ったから食べにきてと言ってるわ。

まったくさ、私と二人だと何にも作らないのにお姉ちゃんが,こっちにいると料理するよね。まだ自分が,ちゃんとしているって見せたいのかなぁ。」


私は,それでは夕飯をいただきに行きます。


そう答えて,実家に行った。


昔懐かしい,母の煮物だったが,以前より少ししょっぱい感じがした。


そんな私の思いを感じたのか,母が最近では何を作っても、ちょっとしょっぱくなると言う。


何でと言おうとしたら、母はなんでも目分量で作るからなんだよね。と言う


砂糖はスプーンで入れるのだが、酒,みりん,醤油はビンを持って回し入れる為、手の力がなくなってきたので、やめるタイミングで最後の一回しが多くなるらしい。


そっかと聞いたけど、母の老を感じて少し悲しい気持ちになった。



普段離れて暮らす私に,私の好物と煮物を食べさせたくて作ってくれた。

こちらに滞在中,食費がかかるだろうからと言う母の愛に涙が出そうになった。


もう長くはない母の命。


娘として,何ができるか考えたが答えは出なかった。


このままの私で母の側にいるのが、いいのかなぁと思ったりもする。